リーマンショックは、2008年9月15日にアメリカの大手投資銀行であるリーマン・ブラザーズが破綻したことに端を発する世界的な金融危機を指します。この危機は、世界中の金融市場や経済に深刻な影響を与えました。
リーマンショックの背景
リーマンショックの原因は複雑であり、いくつかの要因が絡み合っています。
- 住宅バブル:アメリカでは2000年代初頭から住宅価格が急上昇し、多くの人々が住宅ローンを利用して住宅を購入しました。特に、信用力の低い借り手にも融資が行われる「サブプライムローン」が拡大しました。
- 証券化商品:住宅ローンが証券化され、モーゲージ担保証券(MBS)や担保付債務証書(CDO)として金融市場で取引されました。これにより、リスクが広範囲に分散されましたが、実際のリスクが見えにくくなりました。
- 信用リスクの過小評価:多くの金融機関がリスクを過小評価し、高リスクの証券化商品を大量に保有しました。格付け機関もこれらの商品に高い格付けを与えたため、リスクが顕在化するまで問題が表面化しにくくなりました。
リーマンショックの発生と影響
リーマン・ブラザーズの破綻は、金融システム全体の信用収縮と不安を引き起こしました。以下のような影響がありました。
- 金融機関の破綻:リーマン・ブラザーズの破綻を皮切りに、多くの金融機関が経営難に陥り、一部は政府の支援を受けることになりました。
- 株式市場の暴落:世界中の株式市場が急落し、多くの投資家が大きな損失を被りました。
- 信用収縮:金融機関が貸し渋りを行い、企業や消費者が必要な資金を調達できなくなりました。
- 経済の停滞:企業の投資や消費が減少し、失業率が上昇しました。世界的な経済成長が鈍化し、多くの国が不況に陥りました。
政府と中央銀行の対応
各国の政府と中央銀行は、リーマンショックに対して迅速な対応を行いました。
- 金融機関への支援:多くの国で金融機関への資本注入や保証が行われ、金融システムの安定化が図られました。
- 金利の引き下げ:中央銀行は政策金利を大幅に引き下げ、資金供給を増やすことで経済の安定化を図りました。
- 景気刺激策:各国政府は景気刺激策を打ち出し、公共投資や減税を通じて経済活動の回復を図りました。
リーマンショックは、金融市場のリスク管理の重要性や、グローバルな経済の相互依存性を再認識させる契機となりました。また、危機後の金融規制強化や経済政策の見直しにつながり、再発防止に向けた取り組みが進められました。
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