MT4(MetaTrader 4)で自動売買を行うには、エキスパートアドバイザー(EA、Expert Advisor)を使用します。以下のステップに従って自動売買システムを構築・使用できます。
1. EAを作成または入手する
自分で作成する場合
- MetaEditorを開く: MT4のツールバーから「ツール」>「MetaQuotes Language Editor」を選択してMetaEditorを開きます。
- 新しいEAを作成: MetaEditorで「新規」ボタンをクリックし、「Expert Advisor」を選択します。ウィザードに従ってEAの名前と初期設定を入力します。
- コードを書く: MQL4(MetaQuotes Language 4)で取引ロジックを記述します。EAの主要な関数は以下の通りです:
OnInit()
: EAがチャートに追加されたときに一度だけ呼び出される初期化関数。OnDeinit()
: EAがチャートから削除されたときに呼び出される関数。OnTick()
: 市場のティックデータ(価格更新)があるたびに呼び出される関数。ここに主な取引ロジックを記述します。
- //+——————————————————————+
- //| SimpleEA.mq4 |
- //| Copyright 2024, MetaQuotes Software Corp. |
- //| http://www.metaquotes.net/ |
- //+——————————————————————+
- property strict
- int OnInit()
- {
- // 初期化コード
- return(INIT_SUCCEEDED);
- }
- void OnDeinit(const int reason)
- {
- // クリーンアップコード
- }
- void OnTick()
- {
- // ここに取引ロジックを記述
- if (条件) // 例: 移動平均がクロスした場合
- {
- // 買い注文を出す
- OrderSend(Symbol(), OP_BUY, 1.0, Ask, 3, 0, 0, “Buy Order”, 0, 0, Blue);
- }
- }
- コンパイル: コードを書き終えたら、MetaEditorのツールバーにある「コンパイル」ボタンをクリックしてコードをコンパイルします。エラーがないことを確認します。
市販のEAを入手する場合
- 市販のEAを購入するか、無料のEAをダウンロードします。EAは
.ex4
ファイル形式で提供されます。 - ダウンロードしたEAファイルをMT4の「Experts」フォルダにコピーします。通常、このフォルダは以下のパスにあります:
- C:\Program Files (x86)\MetaTrader 4\experts\
2. EAをMT4に追加する
- MT4を再起動する: EAを追加した後、MT4を再起動して新しいEAを認識させます。
- ナビゲーターウィンドウを開く: MT4の「ナビゲーター」ウィンドウ(左側のペイン)を開きます。「エキスパートアドバイザー」セクションに追加したEAが表示されるはずです。
3. EAをチャートに適用する
- チャートを開く: 自動売買を行いたい通貨ペアのチャートを開きます。
- EAをチャートにドラッグ&ドロップする: ナビゲーターウィンドウから目的のEAを選択し、チャートにドラッグ&ドロップします。
- パラメータの設定: EAの設定ウィンドウが開きます。必要に応じてパラメータを調整します。
- 自動売買を有効にする: MT4のツールバーにある「自動売買」ボタンをクリックして、自動売買を有効にします。ボタンが緑色になれば、自動売買が有効になっています。
4. EAの動作を監視・管理する
- 動作を確認する: EAが正常に動作しているか確認します。チャート上にEAのシンボル(通常は顔のアイコン)が表示されていることを確認します。笑顔のアイコンが表示されていればEAが正常に稼働していることを示します。
- 取引履歴の監視: MT4の「ターミナル」ウィンドウの「取引」タブや「履歴」タブを確認して、EAによる取引が正しく行われているかを監視します。
まとめ
自動売買は、トレーダーの取引戦略をプログラム化し、24時間市場に対応できる強力なツールです。初めて自動売買を行う場合、デモアカウントで十分にテストを行い、戦略が期待通りに動作することを確認してからリアルマネーでの取引を開始することが推奨されます。
コメント