PSR(株価売上高倍率、Price Sales Ratio)は、企業の株価がその企業の売上高に対してどれだけ評価されているかを示す指標です。PSRは、企業の成長性や収益力を評価するための指標として利用され、特に利益が安定していない成長企業などの評価に用いられます。
PSRの計算式
PSRは以下の計算式で求められます:
PSR={株価÷1株当たりの売上高(SPS)}
ここで、SPS(Sales Per Share、1株当たりの売上高)は次のように計算されます:
SPS=売上高÷発行済株式数
また、全体的なPSRを計算する場合は次のように計算します:
PSR=時価総額÷売上高
具体例
例えば、ある企業の株価が1,000円で、SPSが200円である場合:
PSR=1,000円÷200円=5
また、企業の時価総額が500億円で、年間売上高が100億円である場合:
PSR=500億円÷100億円=5
この場合、PSRは5となり、株価がその企業の1株当たり売上高(または時価総額が売上高)の5倍であることを示します。
PSRの意味
- 成長性の評価
- PSRは、企業の成長性を評価するための指標として用いられます。特に利益が安定していない成長企業や新興企業では、売上高を基にした評価が重要となります。
- 収益力の評価
- PSRが高い場合、投資家はその企業の将来の収益力や成長性に対して高い期待を持っていると解釈されます。逆にPSRが低い場合、割安と見なされることがありますが、成長性や収益力が低い可能性もあります。
- 比較のための指標
- PSRは、同じ業種内で複数の企業を比較する際に有効です。業種全体の平均PSRと比較することで、その企業の株価が適正かどうかを判断する材料となります。
PSRの注意点
- 業種や市場の影響
- PSRの適切な水準は業種や市場によって異なります。同じPSRでも業種や市場の特性によって評価が異なることがあります。
- 利益の不安定性
- 特に成長企業では利益が安定していないため、PSRが高くなることがあります。この場合、将来の利益成長を見越して投資判断を行う必要があります。
- 収益性の考慮
- PSRが低いからといって必ずしも割安であるとは限りません。売上高が大きくても利益が出ていない企業や、成長性が低い企業の場合もあるため、収益性や利益成長も考慮する必要があります。
まとめ
PSRは、企業の株価がその企業の売上高に対してどれだけ評価されているかを示す指標であり、特に成長企業や新興企業の評価において重要です。PSRの高低は、企業の成長性や業種の特性によって異なります。投資判断を行う際には、PSRだけでなく他の指標や企業の収益性、業種の特性も総合的に考慮することが重要です。
コメント