PER(株価収益率、Price Earnings Ratio)は、企業の株価がその企業の収益力に対してどれだけ評価されているかを示す指標です。これは投資家が株式の価値を評価する際に用いる代表的な指標の一つで、企業の収益性を測るための重要な指標です。
PERの計算式
PERは以下の計算式で求められます:
PER={株価÷1株当たりの利益(EPS)}
ここで、EPS(Earnings Per Share、1株当たりの利益)は次のように計算されます:
EPS=純利益÷発行済株式数
具体例
例えば、ある企業の株価が2,000円で、EPSが200円である場合:
PER=2,000円÷200円=10
この場合、PERは10となり、株価がその企業の1株当たり利益の10倍であることを示します。
PERの意味
- 評価の指標
- PERは、株価が企業の収益力に対してどれだけ評価されているかを示します。一般的に、PERが高いほど、投資家はその企業の将来の成長性や収益性に対して高い期待を持っていると解釈されます。
- 業種や市場の影響
- 同じPERでも、業種や市場の違いにより評価が異なることがあります。例えば、成長が期待されるハイテク企業ではPERが高くても不思議ではありませんが、安定した収益が見込まれる公益事業ではPERが低めに設定されることが多いです。
- 投資判断
- 投資家はPERを参考にして株式の売買を判断します。一般的に、PERが低い株式は割安とされ、投資のチャンスと見なされることがありますが、必ずしも低PERが良い投資先であるとは限りません。企業の成長性や市場の状況も考慮する必要があります。
PERの種類
- 実績PER
- 過去の実績利益を基に計算されたPERです。過去の実績を基にしているため、企業の現状を反映しています。
- 予想PER
- 将来の予想利益を基に計算されたPERです。企業の将来の収益性を反映しているため、成長性を評価する際に用いられます。
PERの注意点
- 一時的な影響
- 一時的な要因で利益が変動する場合、PERも大きく変動することがあります。一時的な利益増加や減少によるPERの変動には注意が必要です。
- 業種間比較
- 異なる業種間でPERを比較する際には注意が必要です。業種ごとに適切なPERの水準は異なるため、同じPERでも業種によって評価が異なります。
- 成長性の考慮
- PERが低いからといって必ずしも割安であるとは限りません。企業の成長性や将来の収益性も考慮する必要があります。
まとめ
PERは、企業の株価がその企業の収益力に対してどれだけ評価されているかを示す指標であり、投資家が株式の価値を評価する際に用いる重要な指標です。PERの高低は、企業の成長性や業種の特性によって異なります。投資判断を行う際には、PERだけでなく他の指標や企業の成長性、業種の特性も総合的に考慮することが重要です。
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